2026年9月13日日曜日

西本昌弘「八・九世紀の内裏任官儀と可任人歴名」を読む

 西本昌弘「八・九世紀の内裏任官儀と可任人歴名」を読む

(1)論文の結論

西本ご自身の結論の要約によると、次の4点に集約できる(同署、111頁)。

第一に、八世紀の任官儀礼は、平安時代になって突然成立したものではない。
『内裏式』『儀式』などから、かなり古い段階から体系的な内裏任官儀が存在した可能性が高い。

第二に、正倉院のA・B歴名を単純に「除目聞書」とする早川説には再検討の余地がある。
「除目聞書」の成立時期を八世紀まで遡らせる直接的証拠は乏しい。

第三に、A・B歴名は、むしろ八世紀の「可任人歴名=下名」の案文・写しと見る方が、平安時代の下名との形式的・機能的な対応を説明しやすい。

第四に、八世紀の任官制度では、儀礼そのものよりも、その前後に組み込まれた「任官者名簿―確認―唱名―文書化」という文書行政の仕組みが重要だった。





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