以下は、あくまでも仮説の範囲内での復元であり、これが現存するわけではない。
1. 条里図の「縮尺(スケール)」の復元(案)
◆ 条里制の基本単位(復元)
1町=約109m
1里=6町=約654m
1条=東西方向の6町幅
1坪=1町四方(約109m × 109m)
条里図は「1坪=正方形」として描かれるため、図面の縮尺は“坪の大きさ”であった。
◆ 安濃川中流域の条里図の縮尺(復元案)
古代の紙(麻紙・楮紙)は最大で 縦60〜70cm × 横40〜50cm 程度を想定すべきか。
● 草生・内多の条里図の縮尺(推定)
図上の1㎝=実距離は約20~25m
図上の1坪(1マス)=正方形、4~6㎝
図上の1里=25~26㎝
つまり、紙の上に「1里=約25cm」ほどの大きさで描かれていた。
安濃川中流域の草生・内多は 「一条〜二条」「一里〜四里」程度の範囲なので、 紙1枚で十分にデザインできる範囲。
2. 条里図の「測量方法(縄・測桿)」の復元
◆ ① 縄(測量縄)
縄は 距離を一定に保つための基準器具。→麻縄・藤縄を使用したか?
● 特徴
長さは 1町(約109m)を基準
伸縮を防ぐため、縄を湿らせることが常套手段
◆ ② 測桿
測桿は 長さを測るための木製の棒。
● 特徴
長さは 1歩(約1.5m)
樫・栗など硬木で作成
目盛りは刻まない(長さそのものが基準)
● 使用方法測桿を地面に連続して置く → 歩数を数える → 坪の辺長を確認
◆ ③ 歩測(ほそく)
→人の歩幅を基準にした測量法。
● 特徴
1歩=約1.5m
測量者の歩幅を一定に訓練
● 使用方法
歩測で距離を確認 → 縄・測桿と照合 → 誤差を修正◆ ④ 水準測量(簡易水準器)
条里図には水利が必須なので、水準器(水平を測る道具) が使われた可能性が高い。
● 方法
水を入れた器を使う
水面の水平を基準にする
溝渠の勾配を測る
→渡来系技術の典型。
3. 測量の実際の手順(安濃川中流域での復元)
① 四王寺山の山際境界を確定(基準点)
→現地踏査が未実現で、その一を確定できないままである。
② 安濃川の本流・堰の位置を確定
③ 縄で1町(109m)を測る
④ 測桿で細かい距離を補正
⑤ 歩測で坪の辺長を確認
⑥ 坪(正方形)を連続して描く
⑦ 条(東西)・里(南北)を区画
⑧ 水利路(溝渠)を描く
⑨ 官田・神田の境界を描く
⑩ 古道・古墳を基準点として記入
⑪ 紙に複数枚、記録化する