2017年10月22日日曜日

逢いたいはずなのに、「逢いたい」と言わない恋の歌1首(万葉集)

565番歌 賀茂女王の歌1首

大伴の見つとは言はじあかねさし 照れる月夜に直に逢へりとも

⇒「大伴の」は「見つ」にかかる枕詞。大阪の難波津の別名は「大伴の御津(三津)」。この地名を念頭においた知的コラージュ。

⇔「見つ」(逢いたい)と言いますまい。さきほど、あかねさす月夜の下で直接にお会いしたのに、それでも「もう一度、逢いたい」と言わないでおきます。

⇔いつの時代でも、「恋の炎」に身を焦がせば、「盲目」状態。「逢いたい、会いたい」。
本歌のように理性を働かせるのが良いか、それとも破滅的行動ともなろうとも行きつくところまで行くのが良いか。

⇒後に後悔しない選択をすべきだと愚考する。人生は1度きりだから。

⇒賀茂女王に関する説明は、後刻。



太宰府で歌われた恋の歌4首(万葉集)

太宰大監大伴宿禰百代の恋の歌4首

559番歌
事も無く生き来しものを老なみにかかる恋にもわれは会へるかも

560番歌
恋ひ死なむ時は何せむ生ける日のためこそ妹を見まく欲りすれ

561番歌
思はぬを思ふといはば大野なる三笠の社の神し知らさむ

562番歌
暇無く人の眉根をいたづらに掻くかしめつつも逢はぬ妹かも