『続日本後紀』承和 7 年(840)2月庚申(13日)条に、
「令大宰府停止例進朴消」
とある。
この「朴消」とは何か。
そのためには、正倉院所蔵「種々薬帳」(大日本古文書』40171。「国家珍宝帳」 とともに天平勝宝8年(756)6月21 日(聖武天皇七七忌)の献物帳、縦約26cm、長さ約2m 。45個の「天皇御璽印」が3段に 捺印。巻尾の署名は「国家珍宝帳」 と同じ5名 藤原仲麻呂、藤原永手、巨萬福 信、賀茂角足、葛木戸主)を最初に目にしなくてはならないだろう。記載されている薬品名は60種。そのうち29種が正倉院に、現存。10種は片鱗などの断片が残存し、21種は散逸。その品目 (帳内薬物)のうち38品目現存。 『種々薬帳』に書かれていない薬 物(帳外薬物)16品目現存。
<詳細は真柳誠先生の紹介を参考の事。
その中で「粉」は「雲母粉」1種類。粉状体と想像される朴消(含水硫酸ナトリウム)と芒消(硫酸マグネシウム)の2種類、そして、粉砕して用いられたと思われる寒水石(炭酸カルシウム)、理石(硫酸カルシウム)や龍骨、龍角と呼ばれる化石鉱物系薬物が約20種類記載されている。
さて、朴消とは、すでに下記の「種々薬帳」にある通り「鉱物性生薬」の一つである。化学分析によって、比較的純度の低い含水硫酸ナトリウムの結晶であると判明している。
適応疾病
腹部膨満感、腹痛、便秘、高熱、意識障害、うわごと、心窩部の張り、心窩部の痛み、ノドの腫れ、ノドの痛み、口内炎、眼の充血、眼の痛み、皮膚化膿症、痔疾、せき、黄色い痰、粘りのある痰など
生薬 - 朴消(ぼくしょう) (=朴硝)の効果・効能・対象症状・薬味・薬性・原材料 | イアトリズム事典 知っておきたい 『漢方生薬』
この朴消を常備薬とした聖武天皇はいかなる疾病を持っていただろうか。
さて、ここからが本論である。840年に至り、朴消(硫化ナトリウム)を都に献納する必要は無くなったが、大宰府はそれまでどこで朴消を入手していただろうか。
万人が想起するのは、正倉院蔵「鳥毛立女屏風」下貼反故文書断片(天平勝宝4年)であろう。買物申請帳・買新羅物解と呼ばれる大蔵省あるいは内蔵寮へ提出された文書である。
この文書に関しては、東野秀之氏の専論「 }があり、新羅から舶載してきた品々(香料・薬物・顔料・染料・金属・器物など)の名称を知る。東野氏が整理した薬物類は
①麝香
②呵莉勒
③人参
④桂心
⑤太黄
⑥牛黄
⑦密抜
⑧甘草
⑨宍縦容
⑩遠志
⑪臘蜜
⑫芒消
であり、我々のtargetである朴消は見当たらない。しかしこの時の新羅商船に舶載されていなかっただけで、大宰府での入手ルートは新羅との交易品であったと推定しても大きな誤りを犯すことはないだろう。むしろ大宰府鴻臚館周辺に居住する新羅人商人たちがブローカーとなって、本国との搬入ルートを確保して、大宰府に舶載した。大宰府に将来された薬品などを取りまとめて、新羅商人のビジネスパートナーである日本人商人(もしくは新羅人と日本人のハーフか、長期間朝鮮半島に滞留して交易に従事した日本人など)と共に、瀬戸内海経由で難波の交易場所に向かったに違いない。難波での商取引で、いくらの利潤が上がるのかは新羅から品々を持参した商人たちにとって、最大の関心事であった。中継地である博多において、安々と新羅人商人が他人に搬入した品々を、小切手で他者に手渡したりしないはずです。たとえどのような長い取引相手であったとしても、ビジネスはビジネスであり、たとえ身内でもその対価ができるまでは信用することはなかった。荒波を越えて渡って来た商人たちはだれひとり騙されないように慎重なビジネスを心掛けたはずであり、「お人よし」でなかっただろう。
現代中国における朴消採集地
主に海辺のアルカリ性土壌地域、鉱泉、塩田近くの湿った洞窟で生産されます。 内モンゴル、河北、天津、山西省、陝西省、青海省、新疆ウイグル自治区、山東省、江蘇省、安徽省、河南省、湖北省、福建省、四川省、貴州省、雲南省など
<백제신집방百濟新集方>, <신라법사방新羅法師方>, <고려노사방高麗老師方>
(1)朴消に関する韓国の説明①
예컨대 국내외 학자들이 명료하게 포착하지 못했던 대황(大黃), 청대(靑黛), 승마(升麻), 감초(甘草), 호동률(胡桐律), 박소(朴消), 청목향(靑木香) 등의 명칭을 명확히 밝혀내었고, 각각의 약재 이름 아래 적혀있던 약재의 무게와 가공법을 판독함으로써 이것이 실제 투약을 위한 처방기록이었음을 분명히 밝혀졌다. 또한 이 처방은 고대 동아시아의 의서인『천금방(千金方)』이나 『외대비요(外臺秘要)』, 『의심방(醫心方)』 등에 실려 있는 어떤 처방과도 유사한 점이 없어 신라 의사의 독자적인 처방인 것으로 판명되었다.
특히 세로쓰기로 되어 있는 약재명들의 첫머리에서부터 오른쪽 옆으로 내려 그은 기다란 꺽쇠 부호가 있는데 지금까지 무슨 의미인지 아무도 명료하게 해석해 내지 못한 상황이었다. 그런데 이것은 조선시대까지도 관용적으로 사용해온 방법으로 의원의 처방에 따라 약재를 배분할 때 차례대로 분배를 마친 약재명 위에 이미 조제를 마쳤다는 의미로 약제사가 표기하던 방식과 일맥상통하는 것이다. 아울러 이 기호는 약재명 위에 이미 조제과정을 마쳤다는 의미에서 ‘了’[마칠 료]라고 표시하던 습관에서 기인한 것으로 여겨진다.
(2)朴消に関する韓国の説明①
(3)大紫金皮散の成分
.강진향A | 降眞香 37.5 g |
2.당귀A | 當歸 37.5 g |
3.대황A | 大黃 56.25 g |
4.도인A | 桃仁 37.5 g |
5.무명이 | 無名異 37.5 g |
6.보골지 | 補骨脂 37.5 g |
7.속단A | 續斷 37.5 g |
8.우슬A | 牛膝 37.5 g |
9.자금피A | 紫金皮 37.5 g |
10.포황A | 蒲黃 37.5 g |
11.호박 | 琥珀 37.5 g |
12.박소 | 朴消 56.25 g |
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正倉院薬物 帳内薬物(60品目)
〈植物性生薬〉 蕤核 小草 畢撥 胡椒 阿麻勒 菴麻羅 黒黄連 青葙草 白皮(及) 雷丸 鬼臼 檳榔子 宍縦容 巴豆 厚朴 遠志 呵梨勒 桂心 芫花 人参 大黄 甘草 蔗糖 胡同律 防葵 狼毒 冶葛
帳内薬物(60品目)
〈動物性生薬〉 麝香 犀角 犀角 犀角器 元青 紫鑛 無食子 臈蜜 猬皮 新羅羊脂 内薬
〈鉱物性生薬〉 朴消 寒水石 理石 禹餘粮 大一禹餘粮 青石脂 赤石脂 鍾乳床 芒消 石塩 雲母粉 蜜陀僧 戎塩
帳内薬物(60品目)
〈化石生薬〉 龍骨 五色龍骨 白龍骨 龍角 五色龍歯 似龍骨石 〈配合薬その他〉 紫雪 金石陵 石水氷 帳外薬物 雄黄,白石英,滑石,琥碧,青木香,木香,丁香,蘇芳, 竹節人参,紫鉚,没食子之屬,薫陸,烏薬之屬, 沈香及雑塵,紫色粉,白色粉,獣胆,草根木實數種, 礦石數種,薬塵,丹,銀泥,合香,浅香,安息香
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