2026年3月17日火曜日

三韓諸国の首長が自称した称号「臣智」や「邑借」の音価に関して

『三国志』魏書東夷伝には

各有長帥 大者自名爲臣智 其次為邑借 散在山海間 無城郭」

とあり、三韓諸国の首長が「臣智」や「邑借」とい う称号を自称していたことが記されている。この「臣智」という身分称号については、通説通りに、前漢が朝鮮半島の平壌付近に郡県制を導入し、楽浪郡を設置(前108年)したと考えて良い。それ以降、三韓諸国の支配層は楽浪郡を通して前漢など接触し、数々の文化を導入したはずである。

Bernhard Karlgrenによる上古漢語再構音( Grammata Serica Recensa,1957)によると、

臣(OC: dźi̯ən)

声母:dź-(有声歯茎硬口蓋音)

韻母:-i̯ən

智(OC: tǝi̯H)

声母:t-

韻母:-ǝi̯

去声(H)


つまり、「臣智」は「dźi̯ə+ tǝi̯H」であり、次の通り「邑借」は「ʔi̯əp+ tsiak」である。


邑(OC: ʔi̯əp)

声母:ʔ-(喉頭音)

韻母:-i̯əp

 借(OC: tsiak)

声母:ts-(歯茎破擦音)

韻母:-iak







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