小田裕樹「 古代日韓における有蓋台付椀の製作と展開 ー百済洒批期の資料を中心に一 」『古代日韓における有蓋台付椀の製作と展開』145頁(BA86039590_3_145_168.pdf)
には、次のようにある。
「7世紀代の日本・百済・新羅の土器をみると、いずれも有驀台付椀を主体とする食器構成へ転換する。 中国に由来する饗宴・儀式の場での食事に関わる共通の礼法を各国が受容したことと関連して、台付 食器を台の上に置き、箸.匙を使用して食べる共通の食事作法が各国に伝わり、受容されていたこと を示す可能性が高いと考えた。」
この文に興味を惹かれるのは、「日韓中の共通食マナー」の成立にある。つまり「台付 食器を台の上に置き、箸.匙を使用して食べる共通の食事作法」であるが、小田氏は自明の如しとする
*食器を手に持たず、台の上に置いたまま箸や匙で食べるのマナー
である。
ちなみに現代日本の食事マナーでは、基本的に
- ご飯茶碗や汁椀は手に持つ
とされる。このマナーの教えは明治後期の修身教科書に見られる。その背景には、食卓文化の変化があり、箱膳・銘々膳からちゃぶ台へ移行したことによる。
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