太宰帥の職は左遷か。
なるほど菅原道真は左遷された。宇多天皇醍醐天皇に重用されて、右大臣にまで上り詰めた道真であったが、左大臣藤原時平の讒言によって太宰帥の職へと左遷される。道真が大宰府に向かう前、京都を出立するときに歌ったに違いない。
『東風吹かばにほひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ』
は高校古典教科書で学ぶだけに、その左遷時の和歌として学生の脳裏に刻まれ、間違いなく悲劇の主人公の歌として喧伝されがちである。だからこそ、太宰帥の職は左遷されたものに用意されたものだというイメージが定着したにちがいない。
いま、ここで道真神話を再論するつもりはない。
いや、左遷者の職でもあったにせよ、そうでない場合も想定すべきだと説きたい。
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