頭陀親王入唐略記(ずだしんのうにっとうりゃくき) 真如親王入唐略記 - 書陵部所蔵資料目録・画像公開システム (kunaicho.go.jp) 貞観三年三月、親王、入唐を許さる。 六月十九日、池辺院より発し、南行して、巨勢寺に御宿す。別当僧平海、徒衆を率いて、まさに迎えんとす。<平海は此れ親王の御弟子なり。>親王、甚だ卑下し、僧徒の迎候を要めず。此の寺に経歴すること廿日なり。時に七大寺の長宿の和尚、朝夕、鳩集す。 七月十一日、巨勢寺より出でて、難破(波)津を指す。名僧数十許(ばかり)人、逐い従いて相送る。大和国葛上郡の旧国府に到る。 爰(ここ)に親王、馬を駐(とど)めて僧徒に揖謝(いっしゃ)して云(いわ)く、「此れ従(よ)りまさに却廻(きゃくかい)せらるべし」と。即ち僧徒、馬を下りて拝別す。皆な涙を垂れて云く、「僧、齢れに傾き、再展すること何日か」と。親王答えて云く、「彼れ此れ好在。縁に随いて相見ん」と。 其の晩頭、難破(波)津に到る。便に大宰貢綿帰船二隻こうめんきせん)を債り得る。 十三日、船二駕(の)る。 八月九日、大宰府鴻臚館に到着す。時に主船司の香山広貞、符(府か?)に申す。 (延文2年(1357) 賢宝書写 東寺観智院本) 参考 ①,佐伯 有清,『頭陀親王入唐略記』にみえる唐の高官.-浙東観察使と淮南節度使の人名,『日本古代中世の政治と宗教』吉川弘文館 ②和歌の流転-真如親王の「いふならく」の歌をめぐっ て言語: jpn 出版者: 明治大学日本文学研究会 公開日: 2013-05-24 キーワード (Ja): キーワード (En): 作成者: 山下, 哲郎 メールアドレス: 所属: メタデータ URL http://hdl.handle.net/10291/14930 ③杉本直治郎 『真如親王伝研究』(昭和四十年、吉川弘文館) ④ 著作ID 3102338 統一書名 真如親王入唐略記(しんにょしんのうにっとうりゃっき)(Shinnyoshinnounittouryakki) 分類 記録 国書所在 【写】宮書(大正写一冊),九大(「真如親王渡略記」、空海和上伝記の内) 著作種別 和古書 著作ソース 『国書総目録』所収,1 ⑤ |
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