2023年11月17日金曜日

安曇の読みは「アド」か

 安曇は安積とも安住とも表記されるが、それは「アズミ」の読みが定着したのちのことである。

天平勝宝2年4月12日の日付を持つ「東大寺諸荘文書併絵図など目録」と呼ばれる文書の中に

「民部省符1通4至 (東安曇江 南堀江 西百姓家 北松原) 地4町」

という官符がある。今、京都市に水源を発し、琵琶湖にそそぐ「安曇川」と書き「アドガワ」と呼ぶ川がある。そして千田稔氏の論文(「古代港津の歴史地理学的考察」『史林』1970年)に学んだことであるが、地理局図籍課発行『明治19年大阪実測図』には、「アドエ」と表記される地名がある。千田氏の仮説によれば、この「アドエ」が上記の「安曇江」であるという。

 つまり、「安曇」は「アド」と読む。

(参考資料日本地名大辞典 68頁、1979年)


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