2019年10月28日月曜日

393番歌

『万葉集』巻393番歌

見えずとも誰恋ひざらめ山の末にいさよふ月を外に見てしか
[題詞]満誓沙弥月歌一首


[原文]不所見十方 孰不戀有米 山之末尓 射狭夜歴月乎 外見而思香

(1)誰恋ひざらめ
  「だれでも恋をする」の意。
(2)山の末
  「やまのハ」と読む。
(3)いさよふ
  「
(4)この「山」とは?
太宰府を取り囲む、どの山を指すのだろうか。
季節を知り、「山の末にいさよふ」とあることで、時間帯を知ることさえ可能であれば
その山を特定できるものの、それでもこの歌を詠んだ場所はどこだろうか。
作者は、造筑紫観世音寺別当の沙弥満誓。
(5)みてしか
  てしか⇒ 「自己の行為、状態に関する希望を表す」(大系、第1巻、193頁)






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