今津勝紀「税の貢進」『日本古代の交通・交流・情報』(1)所収(特に、74-75頁)に教わった点が、下記である。
それは地方から平城京へ上る貢納使たちの人数である。今津氏によると、当時の平城京を10万人(鬼頭清明説)だとすれば、
*たえず3000人から5000人
の地方から上京する一時的流入者が存在したと推定している。
これは着眼点の鋭い、すぐれた指摘である。
なお、今津氏の指摘を踏まえて追加すれば、
1,馬や牛
2,荷車(荷駄)
3,俵や木箱などの輸送ツール
4,木簡類
など地方からの輸送用備品も溢れていたと考えられる。
いずれにせよ今津氏の試論は今後の検証を俟つが、私見ではもう少し詳細に四度使や僧侶などの実態を見れば、その数は増加すると考えている。。